NOT FOUND

アラサー社会人アトラスファンの雑記、ゲームとかのサブカルネタが中心

ペルソナ5のプレイ感想

最後にプレイしてから一年以上経っているので、記憶違いがあるかもしれません。

ストーリーについて、少しだけ触れる部分があります。

 

このゲームのために連休を作った


2016年9月16日、ペルソナ5のソフトが届いた。が、発売日にはPS4を持っていなかった。さらには、いつやるかも決めていなかった。仕事が忙しくて、忘れかけていた。
休日出勤がいくつかあり、振休をいつ使うか考えた時、ようやくこのゲームのことを思い出した。仕事が一段落して自由に休めるようになって、思い切って1週間ぐらいの休みを作り、この間にやりきってしまおうと決心したのである。


休み中、毎日の生活の中心はペルソナ5だけになった。食事も睡眠も全て後回しになって、小学生の時以来、無我夢中でゲームをしていた。一番凄かったのがゲームを始めた初日で、もう面白くて面白くて、ドーパミンが止まらなかった。仕事から帰宅して夜20時に遊び始めて、飲まず食わずのまま、翌日昼の12時までずっと遊んでいたのを覚えている。恐ろしいことに、16時間もの間、空腹感を感じず、椅子に座り続けたケツの痛みすら、全てが置き去りになっていた。休日6日目で1周目をクリアして、プレイ時間は78時間。その後すぐに2周目に突入したから、1日あたり12時間でも全然足りない。ただでさえ睡眠が浅くて、休日はロングスリーパーになる自分とは思えなかった。


あの1週間だけは、かつて忘れていたゲームへの熱量と、何が何でもクリアするという気迫があった。興奮を喚び起こし、凄まじい集中力で、睡眠と空腹に打ち勝っていたのだ。


クリアまでのプレイ記録


このゲームを3周して、総プレイ時間は300時間、残っているトロフィーは「本の虫」だけ。4周目に入り、バッドエンドの回収作業で止まっている。最後の遊んだのは2017年の3月ぐらい。


1週目は難易度Normalで、クリアまで78時間かかった。公式では80時間かかるように作られているらしいので、アトラスの思惑通りである。

川上先生の強烈なビジュアルに惚れて真っ先に彼女にして、メイド先生の膝まくらを満喫した。このまま川上先生だけで...と思った矢先、春ちゃんが登場、バトルだと怖いけど御淑やかな彼女を狙い撃ち、いきなり二股である。バレンタインで早速引っ叩かれるのは面食らった。
初めてのラスボス戦では、Lv80ぐらいのガブリエル*1に、ジャアクフロスト*2のニブルヘイム*3を継承させて、何とか撃破した。刈り取る者が相当強くて全く歯が立たなかった。
初見で真エンドを刮目してカタルシスを味合った後、エンディング曲の歌詞に全俺が泣いた。

2周目は難易度Hardで120時間ぐらい、念願の9股を達成した。9股しておいてなんだが、やはり川上先生が一番グッときてしまう。アラサー故のあるあるというか、彼女が主人公にご奉仕した後に「あー疲れた」と言って、すぐ彼のベッドで寝てしまうあたりが共感できるからかもしれない。川上先生、いつもお疲れ様です。マジかわいいっす。9股達成後のバレンタインで何とか全員から本命チョコを貰う方法がないかと思い、総当たりで選択肢を調べたが、どうあがいても貰えなかったのがくやしい。しぶしぶ9人の中から1人から選ぶと決めた時に、全員の中で唯一、泣きながらチョコを貰ってほしいと懇願する双葉に心が折れてしまった。


ラスボス前に資金稼ぎと合体継承を繰り返し、トロコンにある最強のペルソナ「???」を作成してラスボスを撃破した。この作品特有の、前回のプレイ結果を引き次いで最強の主人公で最後の戦いに挑めるのはやはり楽しい。もちろん、刈り取る者と看守の双子も撃破した。
前回で真エンドを見たので、11月中旬と終盤で分岐するアナザーエンドを2つ見ることにした。詳しくは言えないのだが、やっぱり真ではないエンドでは、そうなるよねって感じだった。

3周目も難易度Hardで100時間ぐらいで、全コープMAX達成、ミニゲームをやりこんで前述のトロフィー以外、ほぼ全てをコンプした。このときで2017年の2月初旬なので、大体半年ぐらいプレイできればトロフィーをコンプできそうである。
すまん最強のペルソナ「???」よ、やっぱりヨシツネの八艘飛びの方が最強だ。私は看守の双子戦でもってそれを確信した。火力が違うのだ、火力が。3周して一番厄介だったのは、ラスダンのマリンカリンを使ってくる奴(名前を忘れた)だった。3体ぐらい出現して、全員が魅了状態になった上に主人公のペルソナに瞬間回復がなく、なす術がなかった。泣く泣く、PS4の電源ボタンを押してしまった...奴は恐ろしい。イシュタルに瞬間回復を覚えさせたからもう安心だ、多分。
3周も同じゲームを遊んだためか、Blooming VillainのギターとRegretのピアノで同じフレーズが使われていることに気がついた。

ペルソナ3や4よりも魔法攻撃の属性が多く(念動と核熱属性が追加、祝福・呪殺に通常のダメージ属性が追加)、初代にあった呪文(眠らせるドルミナーなど)があって、バトルの戦略性が増していて面白かった。物理攻撃が物理属性と銃属性の2種類になったので、3属性あるペルソナ3よりは複雑でなく分かりやすかった。塔コープの銃属性耐性を無視できるスキルが強すぎて、面倒な敵を主人公でダウンさせると楽な反面、しょっちゅう弾切れした。


今作にはバトンタッチが追加されたので、弱点属性を仲間で突き続けながらみんなで攻撃出来るのは爽快感がある。悪魔交渉は昔のペルソナや、メガテンをやったことのある人ならニヤリとできるかも。Normalなのに序盤のパレスで雑魚にすぐ殺されるぐらい難しいけど、後半の難易度とバランスを取った結果なのかもしれない。

全体的には難しい...


全体の感想


明確に、ペルソナを遊んだことのあるファンに対して向けて作られているなと思った。全体的に遊びやすく、メニューのUIがスタイリッシュで分かりやすい。
特に、今日は誰がどこにいるのか、マップからすぐにコープに飛べるようなったのが大きい。前作までは、移動するまでコープの攻略対象が今いるかどうかすら分からなかったので、親切になった。


登場するキャラクターは、怪盗団を除けば大人が多かったし、学生の時にペルソナを遊んだことのあるファンが、社会にもまれて大人になったことを想定しているのかもしれない。女性コープも、メイド先生、闇医者、占い師、新聞記者など、20代後半〜アラサーと思われる人が妙に多かった。主人公は年上キラーである。
一方、同じ怪盗団、同じ学校の人間でも、キャラクターごとに場所が異なるのが不思議だった。都会の高校生は住んでいる地域が広く散らばっているのか、同じ学校でも帰り道が異なるのかもしれない。少し大学生っぽい。

テレビで成長したペルソナ3や4の話が聴けたり、デジタルサイネージで成長したりせちーやかなみんを見られるのは嬉しかった。作中ではりせちーが20歳になっているので、明言はされていないけど、2011年から5年後の世界だと思われる。ちなみに、カレンダー上では6年毎に同じ日付と曜日がやってくるので、2022年、2028年...と全く同じ順繰りになる。もっとも、その時には現実の渋谷駅周辺はだいぶ変わっているので、作中は2016年なのだろう。

パレスに登場するボスは、変態教師、金の亡者、ブラック企業の社長、政治家など、悪い大人のオンパレードである。最初のパレスのワカメ野郎...きもパンツ男...じゃなかった、カモシダの描写が凄く気持ち悪かった。直接の表現は避けていたけど、"杏にさせたかったことと同じこと"を志保にした、というのが不気味である。この台詞が出てきた時に、カモシダの人間性を疑い、ゲームをする手が少しだけ止まった。2つ目、3つ目のパレスでは少し表現をマイルドにしたらしいけど、ゲームでここまで表現したのは初めてだと思われる。

もし、主人公達にペルソナが覚醒しなくて、あるいは途中で能力を失ってしまったら、きっとカモシダはこのままで誰も救われない、後に出てくるパレスの主もそのまま居続ける...と考えると寒気がした。怪盗団のように相手の心を好きにできる能力を手に入れたら、自分以外の誰かを助けるために使うと言い切れないかもしれない。

私利私欲のためにしか使わないパレスの主にも(許されないけど)都合があって、大人になった自分にとって、集団によって歪まされた彼らの境遇は、他人事ではなくなってしまった。実際、社畜になってからも仕事で厄介な人とはエンカウントするわけで、そういう人の心を好きにできたら...と思うと、怪盗団は馬鹿げているという彼らの意見も、ある意味では正しい。生活を保護されている反面自由が制限される学生と、おおむね自由だが責任が伴う働き手では認知している現実が違うし、意見も立場も異なるから無理もない。私の話になるが、今は慣れというか、働きながら理想と現実に折り合いをつけている最中である。怪盗団のように特別な能力がなくても、居場所を見つけなければならない。難しい。


3周プレイして、今でも記憶に残っている台詞が2つある。
自分の認知する現実の経験を照らし合わせると、結構大事な言葉だなと思ったので、記しておく。

1つ目は、「毎日の努力が自分の力になると思えよ」という台詞である。ステータスに関するチュートリアルとして、モルガナから必ず聞く台詞だ。主人公のステータス(知識、度胸、器用さ、勇気、魅力)はコープの成長具合に直結するので、疎かにしていると仲が進まず、コープ毎のメリットを享受できなくなる。コープレベルが低いとペルソナ合体の経験値ボーナスにも響くので、ステータス上げは必須である。夜中のキーピック作りや、ハンバーガーの大食いにチャレンジ、ルブラン近くの銭湯等に時間を使ったプレーヤーも多いと思う。メメントスやパレスも、攻略をサボっているとレベルが足りなくて苦労するし、ミッションでしか手に入らないアイテムもある。学校とパレスの両立をしている主人公には頭が下がる。主人公の毎日の努力がレベルやステータスとして目で見えるので、成長を見られるのは楽しい。

さて現実でどうかというと、やっぱりその言葉の通りだな、と思う。受験や就活みたないな通過儀礼は苦い思い出しかないので無視して、ほぼ毎日自炊を続けたおかげで料理がかなり上手になったし、仕事でもミスはあるけど、続けることで能力は磨かれて出来ることが増えたと感じている。まさに台詞の通りだと思う。逆に、運動を全くと言っていい程しなくなってしまった結果かなり太ってしまったので、努力しなかったことも跳ね返ってくるのはやっぱりつらい。働き始めても、ずっと勉強をし続けなければいけないのは分かっているけど、好きで続けることはやっぱり難しい。大人になると、段々自分の専門性を高めなくてはならない反面(何の人になるのか?)、他の可能性(職業、能力、生き方など)は少しづつ閉じられてしまうので、この台詞を学生の時に聞いたら何か変わっていたかもしれない。聞いても同じだったかもしれないけど。成長を可視化するというのは良いことだと思うし、モチベーションの向上にも繋がるので、写真や文字等の記録に残すようにしている。見返したときが楽しい。今の自分だと料理を400日ぐらいやっているので"器用さ"は4ぐらいありそうだが、"魅力"はずっと1のままである。かなしい。


もう1つは、「いつだってやり直していいんだ」という台詞。物語も終盤、パレスである敵と戦うことになってしまった時に聞く。発言した怪盗団の1人の境遇も相まって、これには目が潤んでしまった。自分を理解してくれる人間と出会うことができて、自分の居場所を手に入れるまで、15年間大変だったのだろう。やり直すためのきっかけを掴めた彼女は、きっとこれから良い一歩を踏み出すことができるんだな、と考えると目頭が熱くなる。制服を着てそうじろうを泣かせてやってほしい。そう、本来はいつだってなんだって、やり直せる方が望ましい。

翻って、現実で何かをやり直すというのはとても難しい。
学生だった時は学校から逃げることがすごく難しくて、選択肢が狭まったり、それしかないという状態だった。良い選択肢や自分にとってプラスになる人たちとの巡り合わせは簡単にはやってこなかったし、ゲームの主人公のように、何かをやり直すのはうまくはいかなかった。

ようやく学校から離れて働き始めたら、今度は生活を維持することで精一杯で、何かをやり直すということを考える余裕がない。新しく何かをやり直すことは殆どできなくて、その機会を逃したまま歳をとってしまっている。今では、作中の満員電車や街のフィールドで出てくる、顔がなくて背中の丸まった小太りのサラリーマンと同じである。いつまでたっても主人公にはなれそうにないけれど、この台詞だけは忘れずにいたい。笑われても貶されても、自分の居場所を作るために生きることは恥ではないのだから。

ゲームの外のイベント

ゲームをクリアした後にペルソナ5カフェに行ったり、ペルソナ20th Fesに行ったり、オケコンに行ったりした。ペルソナのファンになってから、目黒氏を拝めたのもこの時が初めてである。今年の4月からアニメ(P5A)が放映されたり、5月にP5Dが出るのも嬉しい限りである。ゲームやイベントの時の記憶を蘇らせながら、そちらも楽しみにしたい。

最後に一言

ペルソナ5は本当に面白くて、リアルで、作り込みが細かく、絵も音も話も良くて、全てのクオリティが高い。やたらDLCが多くて高いのが難点であるが、まあそれは置いといて、遊んだことのない方には是非とも遊んでみてほしい。 

余談


これは完全に余談なのだが、私が上京した日が、主人公がルブランにやってきた日と全く同じでびっくりした。田舎から都会の高校に転入した主人公と、上京して働き始めた自分と私では、年代も生活も目的も大きく異なる。一方で、1人で地方から出てきて頑張っている彼の姿を見ると、自分も頑張らなくてはいけないな、と思う次第である。

 

*1:メガテンでおなじみの大天使。主人公のレベルが合体可能レベルに足りなかったのでイゴールに課金。

*2:アトラスの顔役のジャックフロストの親戚。黒くてデビルなジャックフロスト

*3:氷結系の単体最強スキルで固有技。上位互換に全体版の大氷河期がある。